コロンビア・メデジンはレゲトンシンガー輩出地
マルマ、ジェイ・バルビン、女性シンガーのカロルGやファリーナなどYouTubeでも数億、数十億の再生回数を誇る曲を連発し、ラテングラミー賞にもノミネートされているレゲトンシンガーの輩出地として有名なのが、私が住む街、コロンビア第二の都市、メデジンだ。

メデジンの街中ではレゲトンが至るところでかかっている。聞きたくなくても近所からレゲトンが聞こえてくる。走っている車からも「ブゥン、ブゥン、ブゥン」というレゲトン特有の振動が伝わってくる。
それくらいレゲトンはコロンビア人に浸透している。コロンビアでは昔も今もサルサやバチャータなど、踊れる音楽が人々に好んで聞かれている。踊れる音楽であるレゲトンが流行するのも必然ともいえる。
あるレゲトン愛好家のコロンビア人女性の”レゲトン消費”ぶりを再現しよう。
朝起きてレゲトンを聞いて目を覚ます。通勤中退屈なのでレゲトンを聞く、昼食中レストランで流れているレゲトンを聞く、仕事を終えて家に帰ってからほっと一息でレゲトンを聞く。花金はレゲトンがかかるクラブで彼氏とペレオ(Perreo)を踊る。ペレオはレゲトンに合わせて生まれたダンスだ。
ちなみにこのペレオとはスペイン語のPerro(犬)を由来とする踊りを示す単語だ。犬が交尾を行う格好の様に男性が女性の背後にピッタリとくっつき腰を掴んで踊る。コロンビア人の中にはこのペレオを「下品だ」と嫌う人も多いが、好む人もまたいる。
そもそもの基本として、中南米は音楽とダンスはほぼ同じものだ。伝統的なラテン音楽も、ルンバ、サルサ、チャチャチャ、サンバ、タンゴ、ランバダなど数え切れないほどの音楽があるが、そのほぼ全てが踊れる音楽であり、みんな踊っている。
中南米で踊れない人は少数派だ。なんだかんだでみんな踊れるのだ。踊れない人もいるが男の場合、女性から「この男つまんない」と減点される可能性もある。そして、レゲトンももちろん、ご機嫌な踊れる音楽だ。
筆者がコロンビアのクラブに初めていった際、このぺレオを見て「なんじゃこりゃ」と衝撃を受けたものだ。筆者はこの衝撃から居てもたってもいられず「俺も踊りたい」とダンスを習うことにした。
ぺレオだけではなくサルサダンスやバチャータなどコロンビアで踊られているダンスを習得するためサルサダンスが盛んな本場であるコロンビア・カリに3か月住み込んで毎日練習に励んだ。今ではサルサダンスを様々な土地で踊ることを楽しみとしている。
サルサダンスは中南米だけでなく日本含むアジア、米国、欧州など世界中で踊られている。どこの国でも現地の人と交流できる世界共通言語ともいえるのでおススメだ。