「ただの口内炎」「痰やせき」それはガンの兆候かもしれない

人間は、口とのどから衰える
週刊現代 プロフィール

日本医科大学・呼吸器内科学教授の久保田馨氏が語る。

「肺にできたがんが、声帯の動きを司る反回神経に障害を与え、声嗄れが起きることがあります。これを『反回神経麻痺』と呼びます。この場合、風邪の症状と違うのは、声がかすれてものどの痛みはないという点です。

耳鼻科で診てもらって、声帯の左右どちらか半分だけしか動かない場合、『肺がんの疑いあり』と呼吸器内科に紹介されることもよくあります」

 

埼玉医科大学総合医療センター・耳鼻咽喉科准教授の二藤隆春氏が続ける。

「喉頭がんの場合は、ガラガラ声になりますが、肺がんなどにより反回神経麻痺が生じると、同じ声嗄れでも息が漏れたようなスカスカの声になる。反回神経麻痺では、声嗄れに加えて、むせやすくなります」

血痰喀血などがあればさすがに焦るが、この場合、すでに肺がんが進行している可能性が高い。手遅れにならないためにも、声の変化には注意したい。

首や顔のむくみも肺がんのシグナルとなる。

首が腫れて顔とつながった感じがするとか、顔や肩口から先の手がむくんできた場合、肺がんから来る『上大静脈症候群』の可能性があります。簡単に言うと上半身の血流が悪くなる状態です。

そのほかにも、肺がんによって副腎皮質ホルモンのような成分が分泌されてしまい、顔の形が丸くなることがあります。ステロイドを使うと起こる、いわゆる『ムーンフェイス』のような症状です」(前出・久保田氏)

熱い食べ物を好む人は…

のどに端を発するがんのなかで、もっともタチが悪いのが、堀さんも患った食道がんだ。年間の患者数は2万3000人('14年)で、女性より男性に多く、年齢としては50代から増加し始める。

主な原因はアルコールと煙草だが、「熱い食べ物を好む人は、そうでない人に比べて約2倍、食道がんのリスクが高くなる」というデータもある。これは食道が炎症(やけど)を起こし、修復を繰り返す過程で遺伝子に異常が発生し、がん化するためと考えられている。

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食道がん全体の5年生存率は、男性36%、女性42%と予後も悪く、首のリンパ節はもちろん、肺や肝臓など離れた臓器にも転移しやすい。

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