フリーライター雨宮紫苑さんは、22歳で移住し、現在ドイツ在住の27歳。日本と毎年行き来しており、日本の番組も良くチェックしている。最近気になっているのが、あまりにみなが卑下しすぎじゃない? ということだという――。
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なんで自分を「ブス」「デブ」っていうの?
数ヵ月前のこと。youtubeでダイエット動画やメイク動画をぼーっと見ていたところ、ちょっと気になることがあった。動画内で、自分のことを「ブス」「デブ」と卑下する女性youtuberがすごく多いのだ。
まだ「女の子」ともいえる年齢の人たちが、「見てください、すっぴんはこんなにブスなんです」「当時55キロもあったんですよ、デブすぎてやばい」なんて平気で言う。全然ブスじゃないし、全然太ってもいないのに……。
考えてみれば、アイドルや芸人の外見をからかうことが「笑い」になったり、女性の体重を問答無用で公開するテレビ番組が放送されたりと、外見への悪口が「いじり」として気軽に使われる場面は多い。「ハゲ」や「デブ」もおなじだ。
なんでこんなにも、外見を貶める言葉が身近にあるんだろう。言われてうれしい人なんて、いるはずがないのに。
自分の容姿への満足度調査
2015年、ドイツに本部を置くGfKが『自分の容姿への満足度』の統計を発表。日本は22ヵ国中最下位で、「いちばん自分の容姿に満足していない国」という結果だった。
満足度トップのメキシコでは自分の容姿に肯定的な人が74%なのに対し、日本はわずか26%。一方、日本では38%の人が自分の容姿に否定的で、肯定的な人より明らかに多い。
ちなみにドイツは62%が「満足」派(容姿に肯定的)、12%が「不満」派(否定的)という結果になっている。
この統計でとくに気になるのが、容姿に「まったく満足していない」割合が、ほかの国はイギリス(6%)をのぞいて5%以下なのに対し、日本では13%もいるということだ。これは、ほかの22ヵ国と比べて明らかに多い。
自分の外見を低く評価しがちな日本人。その理由はなんだろう?
わたしは、「他人の外見を堂々と批評していいという価値観」、そしてそれに伴う「美しくなるための努力の強制」があるからじゃないかと思っている。