2020年に女性人口の半数が50歳以上になる。だからこそ、50歳以降をごきげんに暮らせる考え方を身につけたいーーそんなコンセプトからはじまった料理家の山脇りこさん連載第6回。今回は食べるものが身体をつくる、そんな当たり前のことから、だからこそそれをめんどくさくなく美味しくやらない? という山脇さんからのご提案。
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一番わかるのは「髪」
『身体は食べたもので、できています』
もう、耳からタコが、いよいよ出てきそうですよね(怖)。そう、あのスリムを維持するシロさん(『きのう何食べた?』で西島秀俊演じる筧史朗*1)も食べたものでできている……でも、それって、俳優さんとかアスリートでもない限り、強く実感するのは、50歳からだと思う。早ければ、40代後半?しかも、ラブストーリーばりに、突然に。
表面的には、意外だけど髪!尊敬する美容師さんも、50代は髪の健やかさの差を、さわっただけで感じるよ、と。「ただ、若いモデルちゃんでも、元気そうに見えるのに、髪が細く抜けやすくハリコシがない子がいて、聞いてみると、無理なフルーツ単一種ダイエットをしていたり、お菓子1個で1日すごしていたりする。」うむ、髪には健康っぷりがかなり出るのか。
以前、某女性誌の取材で来られた美容ライターさんも、50代は髪のボリューム、ハリ、コシに差が出る年代、と。深ぼり取材してみると、その差は、食べ物の違いが大きい、と話されていました。「脱色とかやったやんちゃな人は別だけど、この世代はカラーもパーマも髪にダメージがないように改良されてきた世代。聞いてみると最後は、食べ物だと思う。トリートメントなどで、栄養を外から入れようとがんばっても、なかなか難しいのよ」と。
身体の中身の方は、調べなければ見過ごしてしまうけど(だから怖い)、血圧そのほか、メタボ系数値、血管のプラーク、内臓脂肪のつき具合などに確実に現れる。こちらも、サプリなど外から入れるものだけでは、フォローできないと思う。
……となると、逆算して、そうそう無茶な食事をしていられなくなるのが、40代。そして、人に言えない食生活となれば、やっぱり30代で卒業したほうがいい。
以前、40代に痩せていなかったら、50代では痩せない、涙、と書いた。同じように、40代のうちに、自分の身体を意識した食事の習慣を身につけておかないと、50代がきつくなる。

今日がいちばん若い。すぐはじめよう!
と、ここまでは「そう、40代からできたらよかった」のお話?えー、もう50代だよっていうご同胞のみなさま、とはいえ、今日がいちばん若いでしょ。
身体の細胞の多くは3ヵ月以内で変わる。しかしそのサイクルは加齢とともに遅くなるらしい。さらに、これは3ヵ月で変わり続ける(戻る)ということでもあるから、長い習慣による体質を変えていくには、やっぱり1年はかかると思ったほうがいい。
となれば、思い立ったが吉日で、『何を食べるか?』を、今日から1年くらいかけて見直そうではありませんか。それは、さらに経年劣化が現れる次代へむけて、『還暦支度』でもあると思う。
なんて、偉そうに言っている私も、日々試行錯誤してきた。