老後2000万円問題、日本全国で「ある勘違い」が蔓延しているワケ

資産運用業界のターニングポイントだ
藤野 英人 プロフィール

「老後2000万円」不足しないための4つの方法

ではどうすればいいのかというと、やるべきことは明確です。1つは、元気で働ける限り、長く働き続けることです。

寿命の延びとともに「健康寿命(介護を受けたり寝たきりになったりせず、日常生活に制限がない期間)」も延びているのですから、かつて60歳だった定年が70歳、75歳と延びていくのも自然なことでしょう。

もう1つは、若いうちにたくさん稼ぐことです。老後の心配をすることなく暮らせるくらいに稼げるなら、それも一つの方法でしょう。また、細く長く暮らしていくように支出を抑えることも選択肢になります。そしてもう1つの方法が、将来に備えて収入の一部を投資に回していくことです。

つまり「(1)できるだけ長く働く」「(2)現役時代にたくさん稼ぐ」「(3)支出を抑えて暮らす」「(4)長期投資で増やす」という4つの方法を組み合わせていくしかないのです。

 

このように、「老後2000万円問題」に対して私たち個人が取りうる解決策はシンプルです。しかしこれらが実行されるかというと、特に「できるだけ長く働く」「長期投資で増やす」についてはさまざまな問題があります。

1つは、「自立する気持ち」が欠けている人が少なくないことです。社会全体が成立するには「自助・共助・公助」、つまり自分が自分を助けること(自助)、お互いに助け合うこと(共助)、そして行政による支援(公助)を組み合わせることが必要です。健康で元気に働ける人は自助をベースとし、健康を失うなど事情があって働けない人を共助や公助でサポートしていくのがあるべき姿でしょう。

お金は天から降ってきたりはしませんから、自分たちで稼ぎ、自分たちで生活し、自分たちで将来に備えるというのが原則です。自己責任という言葉は厳しく聞こえることもありますが、社会全体の基本は「自己責任と自立」であり、自分の人生は自分でカバーするのが本来のあり方だと思います。

もし、健康で働くことができるのにもかかわらず共助や公助に期待しているなら、それは自立心が足りないと言わざるを得ません。働けるのに働かない人を助けましょうということになって、まともに働く人が減っていけば、国が滅びることになるでしょう。どのような社会であれ国家であれ、働ける人が一生懸命働いて一生懸命稼ぐことが基本なのです。

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