使用済み生理用品を個室内に置いていった女性も少なからずいたようだ。ツイッターには、置き去りにされた使用済み生理用品の写真がアップされていた。あとに続く利用者や清掃員のことを思えば、してはならないことである。
しかし、トイレットペーパーで二重三重に巻いたところで経血が染み出ないとは限らない。また、臭いも気になるところである。そんなものをバッグに入れて満員電車に乗れば、他の乗客にも迷惑がかかる恐れがある。迷った末に置いていかざるを得なかったのだろう。
ちなみに、「布ナプキン」の愛用者は、洗濯して繰り返し使用するため、当然ながら使用済みのものを持ち帰るのだが、経血や臭いが漏れない袋やポーチを用意している。
持ち帰ることも置き去りにすることもできず、トイレに流してしまった女性もいたかもしれない。トイレが詰まれば、利用者はもちろん鉄道会社も困ることになるだろう。
女性たちが困惑する結果に
今回、ゴミ箱同様サニタリーボックスも撤去されるという情報は、事前に周知されていなかった。また、駅構内でのアナウンスや貼り紙も、「ゴミ箱の使用停止」しか伝えていなかった。“月経や生理用品については語るべからず”という長い間の習慣が影響したのだろうか。
たしかに、「サニタリーボックス」という言葉から、使用済み生理用品や経血を連想し、不快感や不潔感を覚える人もいるだろう。しかし、不快で不潔なものだからこそ、道徳的で衛生的な処理が必要なのだ。
ほとんどの女性たちが、ふだん生理用品を道徳的、衛生的に処理することを心がけている。今回のサニタリーボックスの撤去は、そうした女性たちをおおいに困惑させる結果となった。
今後もテロ対策としてサニタリーボックスの撤去が行われるのであれば、駅のトイレを利用する女性たちに、事前に周知する必要がある。
そうすれば、女性たちも持ち帰る準備ができる。そして準備をしていない女性たちのために、トイレ個室内に小さめのビニール袋を設置するなどの対応も望まれる。