東京五輪では大混乱が起こりうる

ちなみに筆者は、「汚物入れ」という呼称でも構わないと考えている。経血を「汚物」と認識し、適切に処理することが重要だからだ。

月経という“生理現象”は「不浄」でも「不潔」でも「恥ずべきもの」でもないけれど、排泄物である“経血”は「不潔」であり、衛生的な処理が必要であるということを明確にしていくことで、月経に対してぼんやりと抱かれている「汚い」「不潔」「恥ずかしい」といったイメージを払拭できるのではないだろうか。

 

テロ対策としてのサニタリーボックスの撤去に際しても、月経という女性にとって当たり前の生理現象を直視し、その上で、「不潔」な使用済み生理用品を衛生的に処理するための対応を考えればよい。ごくシンプルなことだ。

来年の東京オリンピック・パラリンピックでは、テロ対策がますます強化されるだろう。期間も長い。この間、ずっとサニタリーボックスを撤去するとしたら、今回とは比較にならないほどの混乱が予想される。また、外国人の鉄道利用客も増えることから、日本語のみのアナウンス、表記では不十分である。

鉄道会社には、女性の当たり前の生理現象から目を逸らさずに、適切な対策を行ってほしい。