表立った差別はないが…
コロンビア人はベネズエラ人の置かれた窮状を理解している人が多い。そのため現在、表立った差別はない。
私はこれまで大勢のコロンビア人に「ベネズエラ人が押し寄せて来ている現状をどう思うか?」と訪ねてきた。その答えから、みなかなり複雑な感情を抱いていることがわかる。
コロンビア人は口を揃えて言う。
「ベネズエラの現状を見るとベネズエラ人を受け入れるほかないと思う。ただコロンビア国内ですら貧困に置かれているコロンビア人がいたり、問題が山積みなんだ。その上に100万人以上のベネズエラ人に対して支援の手を差し伸べるのは、キャパオーバーだよ」と。
もっともな意見だ。かなり複雑な状態なのだ。


窃盗事件が大々的に報道されると、当然、コロンビア人の中でもベネズエラ人の受け入れをネガティブに捉える人も出てくる。
断っておくが、コロンビアにいる大半のベネズエラ人は驚くほど勤勉で真面目だ。一部ベネズエラ人による窃盗事件が報道されるたび、ベネズエラ人に対する偏見が生まれてしまうのはなんとも悲しい。