2019.07.13
# コンビニ

コンビニ最強から一転、セブン‐イレブンの「劣化」が止まらないワケ

鈴木敏文が去っておかしくなった
大原 浩 プロフィール

サラリーマン社長に野武士は扱えない

セブン&アイのもう1つの大きな問題は「マネジメント」である。マネジメントの手法については7月11日の当サイトの拙稿「人工知能時代に生き残るのは、意外と『こんな上司』だった」の内容を参照していただきたいが、特に加盟店との関係において、一方的に問題を指摘するようなやり方は厳禁である。

そもそも、本部なるものは言ってみれば単なる「処理機械」であって、現場で売り上げを稼ぐ加盟店より偉いわけではない。ドラッカーに言わせれば企業(本部)は、例え営業部であってもコストセンターなのである。売り上げを与えてくれるプロフィットセンターとは、「顧客」だけなのだ。

コンビニチェーンにおいて、本部から見て売り上げを与えてくれる顧客は加盟店に他ならない。1号店から加盟店とともに辛苦を共にしてきた鈴木氏は、骨の髄までそのことが分かっている。

だから、加盟店の日販の数字を上げ彼らを豊にするために「イノベーション」を継続し、弁当・スイーツ類の試食でも鬼のようにダメ出しをして、品質を維持してきたのだ。

しかし、それも3年前の鈴木氏の退任で終わった。

今や、社長以下本部が自己保身に走る人間ばかりで、現場の士気も大いに低下しているであろう。

24時間営業の問題も、経緯を見ると、対応があまりにもずさんだ。筆者もコンビニにおける24時間営業の重要性は認識しておりやめるべきでは無いと思うが、加盟店の経営者も人間である。

保身に走る社長のもと、保身に走る担当者からの「私はちゃんと指導しましたから」と上司に言い訳をするための杓子定規な話が、疲労困憊している加盟店経営者を激怒させたことは想像に難くない。今回の問題は、加盟店が「野武士」の意地を見せたというわけである。

そもそも、24時間営業の問題はすべてのコンビニ共通なのに、セブン-イレブンがことさら取り上げられる状況になったのが、問題の根の深さを示している。

鈴木氏であれば、自ら加盟店を訪問し、膝を突き合わせて話をしながら、打開策を探るくらいのことはしたかもしれない。

 

収益性低下→先行投資もできなくなる

フランチャイズビジネスは、本来濡れ手に粟のビジネスである。

収益事業があるうちに、次の展開をつけなければならない。下り坂になってからではもう遅いが、残念ながらすでに下り坂に入っているのかもしれない。

「今さえ良ければ」というビジョンの無い人々が考えていた「今」が終わりつつあるのではないだろうか?

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