2019.07.15
# 鉄道

JR東日本「びゅうプラザ」廃止、そのとき困る人は誰なのか

Suicaに次ぐ「大改革」が始まる
杉山 淳一 プロフィール

一方、「大人の休日倶楽部」は、シニア向け会員制旅行サービスだ。国鉄時代からJR各社で継続するシニア割引サービス「ジパング倶楽部」のアップグレード版で、専用クレジットカードの契約で入会できる。50歳以上から入会できる「ミドル」、男性65歳以上、女性60歳以上で入会できる「ジパング」があり、合わせて会員数は238万人(2019年1月時点)にのぼる。

JR東日本事業エリアの人たちにとって、「大人の休日倶楽部」の知名度は高い。イメージキャラクターに世代ターゲットに親和性の高い吉永小百合さんを起用し、各駅にポスターやパンフレットを置くなど、JR東日本がもっとも広告に力を入れている事業だ。

「大人の休日倶楽部」は、まさに少子高齢化を見据えた大ヒット企画だろう。「子どもは減る。しかし高齢者は増える。したがって会員数は右肩上がり」という傾向は当分続くだろう。

 

JR東日本エリア向けのフリーきっぷを発行しているほか、「ジパング」はJR東日本、JR北海道の乗車券は回数制限無しで3割引だ。他のJR路線も、回数制限など条件があるとは言え、2割~3割引である。優待しすぎだと思えるけれども、ミドルは年会費2575円(カード年会費込)、ジパング個人会員は4285円(カード年会費込、夫婦割引あり)で、合計238万人として試算すると、毎年1000億円以上の会費収入がある。これが優待の原資とも言える。

そろそろ定年を迎える今の60〜65歳の人たちといえば、20代後半からパソコンが普及し、30代でDos/V機、Windowsの席巻を経験した世代であるから、インターネット販売に抵抗はないはずだ。加えて、窓口がなくなって困りそうな高年齢層には「大人の休日倶楽部」がある。「大人の休日倶楽部」なら電話サポートも手厚いし、郵便でも申し込みできる。つまり、現在51ヵ所「しか」ない「びゅうプラザ」へわざわざ出向く必要がない、とJR東日本は考えているわけだ。

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