2019.07.15
# 鉄道

JR東日本「びゅうプラザ」廃止、そのとき困る人は誰なのか

Suicaに次ぐ「大改革」が始まる
杉山 淳一 プロフィール

「困る人」は本当に存在するのか?

最後に残る顧客は「大人の休日倶楽部」非会員の高齢者、どうしてもネットが使えない人たちだ。JR東日本としての対応は2つに分かれる。

1つは「顧客接点型拠点」の相談窓口で対応する。ダイナミックパッケージは販売しないけれども、「大人の休日倶楽部」の入会案内、あるいは郵送販売の申込書くらいはくれるだろう。

もう1つは「対応する必要はない」だ。極論すれば、「『大人の休日倶楽部』のクレジットカードを作れない人は顧客と考えなくていい。旅行意欲が旺盛ではないし、クレジットカードを作れない人かもしれない。そういう人は、ほかの旅行会社に行っていただいて構わない」という対応だ。

 

旅行会社はびゅうプラザだけではないし、JR東日本は他の旅行会社との連携も重視していく考えを見せている。駅周辺の旅行会社にとっても、これはビジネスチャンスかもしれない。

個人で乗車券、特急券を手配できる人は「えきねっと」を利用し、駅の券売機できっぷを受け取れる。宿泊先もネットで手配できる。びゅう旅行商品をネットで買うくらいは問題ない。「びゅうオンラインシステム」の構想では、Suicaに旅行に関するすべての情報が入るから、もはやきっぷを受け取る必要もない。そしてお気づきかもしれないが、このシステムはもちろん、「MaaS(マース)」を見据えている。

Photo by iStock

JR東日本にとって、すでに「びゅうプラザ」は縮小するプロジェクトで、代替手段は整っていた。こうしてみると「びゅうプラザ」がなくなっても実際には困らない。

JR東日本は駅ナカの一等地を「顧客接点型拠点」として活用するか、店舗にしたほうが収益率を高められる。窓口を頼りにしていた高齢者はどうなるという声も聞こえてくるけれど、実際に困る高齢者はどれほどいるのか。「非実在高齢者」をでっち上げた空論ではないのだろうか。

Suicaによって「改札を通る前にきっぷを買う」という習慣が消えつつあるように「窓口で旅行商品を買う」という習慣も消えていく。時代は変わっていく。それだけのことだ。

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