生涯独身…ジャニー喜多川氏の「莫大な遺産」は、誰が受け取るのか

事務所の「火種」となる可能性
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さらにジャニーズの強みは、都内一等地に多くの不動産を所有していることだ。

ジャニーズ事務所はそれぞれの会社名義で、赤坂、麻布十番、渋谷などの一等地にビルやスタジオなどを構える。その中でも特筆すべきは、2018年2月に同社がソニー・ミュージックエンタテインメントから購入した「SME乃木坂ビル」。ジャニーズ事務所は現在、このビルに各社の本社機能を集約させている。赤坂の地にすべての拠点となる巨大な本社ビルを持つことは、ジャニーズ帝国にとっての念願だった。

ジャニーズ事務所が本社を置くSME乃木坂ビル(Photo by gettyimages)

6ページ目の表に掲載しているのは、ジャニーズ事務所が所有する主な物件だ。確認できただけでも同社は合計で10以上の不動産を都内に持ち、その推定資産価値は300億円以上にも達する。

「ジャニーズの不動産売買に関して、担当しているのはみずほ銀行の青山支店。ここが事務所とがっちりタッグを組み、不動産を買い漁っています。さらにジャニーズは高級物件を専門に扱う不動産会社『ケン・コーポレーション』とも太いパイプを築いている。麻布や赤坂界隈でめぼしい物件が出たら、すぐ話があがるようなツーカーの関係になっています」(不動産ブローカー)

 

姉メリーから姪ジュリーへ

年商は1000億円以上で、所有する不動産の資産は300億円。企業の名義とはいえ気の遠くなるような財産を築き上げたジャニー氏は、一方で生涯独身の身だった。配偶者はもちろん、跡取りとなる子供もいない。そんな彼の遺産は、一体どこに行くのか。

「法定相続の観点から言えば、姉のメリーさんが唯一の相続人になります。ジャニーさんがメリーさんへの相続を否定するような遺言書を遺していない限り、彼の個人資産はすべて彼女のものになる。

ジャニーさんは個人資産だけではなく、会社名義でも多額の財産を持っています。会社名義の財産については、株という形で相続されることになります。たとえばジャニーズ事務所の株式を50%、ジャニーさんが持っているとする。そうなると、その株はメリーさんが継ぐことになる。つまり株の大半をメリーさんが相続することになれば、会社は実質、彼女の所有になります」(WT税理士法人の板倉京氏)

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