話題の映画『新聞記者』を観て感じた、この国のリベラルの限界

ネットでは存在感が際立つも…

政権批判の題材として

次に「Insight Intelligence Q」で、関連記事とメディアを見てみよう。映画『新聞記者』について書かれた記事で、ツイッター上で多く拡散されたものがどれかわかる。

1位は「リテラ」の記事だった。このメディアは(株)サイゾーが運営する批評誌で、明確に左寄りだ。普段から政権批判記事が大好物なので、1位なのも納得できる。2位は「Yahoo! 個人」で映画評を中心に書いている斉藤博昭氏の監督インタビュー記事で、左でも右でもない。3位は「日刊ゲンダイ」、4位は「朝日新聞」、さらにその下には映画に対する「嫌がらせ」や公式サイトへの「サイバー攻撃」(?)に関する記事などが並ぶ。

こうして見ると、一部には作品の直接的な批評記事もありつつ、映画の周辺の話題が多い。そして「リテラ」や「日刊ゲンダイ」、そして「朝日新聞」と、常日頃から政権に批判的な姿勢のメディアが、この映画を題材にして、いつも通りの言説を展開しているように思える。

 

あえて悪い言い方をすると、何かネタがあれば政権批判をしようと手ぐすね引いて待っているメディアが、「いい題材が来た」と盛り上がっている――とも言える。ツイッターの盛り上がりも、見た人が感想をつぶやいているというより、こうした記事をはじめ、映画の周辺の情報を騒ぎ立てるツイートが多いのではないか。

そうでないと、興行収入2億円の映画のツイートが、興行収入85億円の『アラジン』のツイート数の3分の2にはならないだろう。映画館では60代が多いのにツイートでは30代が多いのも、見ていない人がたくさんツイートしていると考えると腑に落ちる。映画『新聞記者』の盛り上がりは、作品の周辺情報がネタとなっていることも理由のようだ。

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