プラモデルは誰でも組み立てられる
筆者は手先が不器用な方だが、それでも説明書さえあればプラモデルを組み立てることができる。また、IKEAやニトリから送られてくるパーツを、悪戦苦闘しながら家具に変身させることも可能だ。
しかし、プラモデルの部品や家具のパーツを製造することなど筆者には不可能である。
世界の製造業も実は同じなのである。
空き地に日本製の工作機械を設置して、安い人件費の現地スタッフを集めれば、どのように工業化が遅れた国でも(電気・水道・ガス、道路などのインフラがある前提だが……)あっという間に大規模な生産基地(組み立て工場)になる。
日本の製造業が空洞化したといわれるのも、そのような「組み立て工場」が人件費などの基本コストが安い国々へ流出したからである。
日本の大手メーカーも、規模こそ大きいものの、内実は「組み立て屋」だから、海外のコストの安い組み立て屋連合に敗北したのも当然といえる。
しかし、パソコンやスマホの製造では世界の後塵を拝した米国勢が、CPUなどの基幹部品や、OSなどのソフトウェアで覇権を握って高収益を上げている。
日本も、製造業の基幹をなす「製造装置」と「素材」で世界の覇権を握っている。会社四季報を見れば、それらの「製造装置」と「素材」のメーカーが高い成長を実現し、大きな収益を上げていることが分かる。
これまで製造業大国であると豪語していた韓国や中国は、日米の製造したパーツの組み立て屋でしかなかったということだ。
したがって、ZTEやファーウェイに対する米国(および同盟国)企業の取引停止が、甚大な被害を引き起こしたのも当然だ。
現在、世界の工業製品に「日米入っている」ことが明らかになってきている。