2019.07.24
# トヨタ

対韓輸出規制でわかった、「ニッポンの製造業」が世界最強であるワケ

アナログこそが競争力の源泉
大原 浩 プロフィール

プラモデルは誰でも組み立てられる

筆者は手先が不器用な方だが、それでも説明書さえあればプラモデルを組み立てることができる。また、IKEAやニトリから送られてくるパーツを、悪戦苦闘しながら家具に変身させることも可能だ。

しかし、プラモデルの部品や家具のパーツを製造することなど筆者には不可能である。

 

世界の製造業も実は同じなのである。

空き地に日本製の工作機械を設置して、安い人件費の現地スタッフを集めれば、どのように工業化が遅れた国でも(電気・水道・ガス、道路などのインフラがある前提だが……)あっという間に大規模な生産基地(組み立て工場)になる。

日本の製造業が空洞化したといわれるのも、そのような「組み立て工場」が人件費などの基本コストが安い国々へ流出したからである。

日本の大手メーカーも、規模こそ大きいものの、内実は「組み立て屋」だから、海外のコストの安い組み立て屋連合に敗北したのも当然といえる。

しかし、パソコンやスマホの製造では世界の後塵を拝した米国勢が、CPUなどの基幹部品や、OSなどのソフトウェアで覇権を握って高収益を上げている。

日本も、製造業の基幹をなす「製造装置」と「素材」で世界の覇権を握っている。会社四季報を見れば、それらの「製造装置」と「素材」のメーカーが高い成長を実現し、大きな収益を上げていることが分かる。

これまで製造業大国であると豪語していた韓国や中国は、日米の製造したパーツの組み立て屋でしかなかったということだ。

したがって、ZTEやファーウェイに対する米国(および同盟国)企業の取引停止が、甚大な被害を引き起こしたのも当然だ。

現在、世界の工業製品に「日米入っている」ことが明らかになってきている。

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