2019.08.18
# 日本株 # 転職

日本経済の絶頂から転落! バブル時代のカネと女と性の狂乱の現場!

私が体当たり取材「バブル」時代の証言
家田 荘子 プロフィール

まるで別人

「新興住宅街にある2階建ての平均的な1軒家でした。ビデオは両親が外出したスキに撮りました。最初はリビングでSEXなどの話を聞き、本番シーンは2階の彼女の部屋で撮ったんですが、部屋に入ってビックリです。カードで買ったという洋服と外国のファッション誌が山積みにされているんです。これじゃカード破産も当然だなぁ、と思いましたね」

六畳の彼女の部屋のベッド以外のスペースは、数百着というブランドの服で埋まっていたという。それはビデオでも見ることができた。

このビデオは出演女優の部屋をたずねるという設定だった。カメラを持ったスタッフたちが家に入っていくシーンを見るだけで、私はドキドキしてしまった。しかし、洋子は平然とカメラマンやスタッフに向かって話し出す。
 
洋子はキッチンへ行き、お茶をもてなす。それからソファに座り、どうしてAVに出演する気になったか、なぜ借金をしているのかなどを説明する。男性を前に話すことが、とても楽しそうだった。その姿は、私がインタビューしたときとはまるで別人のようだった。

白いドレスを着た洋子は、カメラや目の前の男性を意識してか、足を組み替えてみたり、垂らした髪をかき上げてみたりしながら、終始笑みを浮かべていた。そこには、まさに女の洋子がいた。

 

それから洋子は、二階の自分の部屋へ案内する。六畳の部屋にはシングルベッドが置いてあり、その辺りは服で山積みになっていた。洋子はあわてて洋服の山を少し移動させる。そしてベッドに座った洋子は、いきなり男優とキスを始めた。すぐに洋子は「ん……」と声を洩らし始める。

やがて服が脱がされ、肉付きのいい洋子の白い体が現れた。頭から抜けるような声を上げ、男優の腰の動きに合わせて体を揺らせている。撮られていることを忘れているのか、あるいは見られていることに興奮しているのか、洋子は動物的な声を上げていた。画面の中の洋子は、私がインタビューしたときの反応の鈍い洋子とはまるで別人であり、女そのものであった。

私は何かショックにも似た感情を抱き、同時に、女として奔放に感じている彼女を妬ましくさえ思えてきた。男性の前では、こんなに女・女しているなんて――裏切られたような気がした。

男優が最後のしぶきを洋子の顔に向けて放った。それを顔や口で受けながら、恍惚の表情を見せる洋子は、むしろ銀行員でいることの方が似合わない気がした。

ことを終えた洋子は、再び白いドレスを着て、スタッフを家の外まで送っていった。私はまた家族が帰って来やしないかとドキドキ、ハラハラしてしまう。彼女は、カメラなどを抱えて去っていくスタッフを、門の前からいつまでもいつまでも見送っていた。とても名残惜しそうだった。その顔は、私がインタビューしたときの煮え切らない洋子に戻っていた。

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90センチのバストの割に童顔が魅力的なミドリ(仮名)。ミドリは「パパ」からのプレゼントで部屋があふれかえるような生活をしていたが――。

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