法務省も困惑…相続は「早いもん勝ち」に変わっていた

相続法改正「最大の抜け穴」をご存知か
週刊現代 プロフィール

ここまで、相続法の裏をかいて、早いもん勝ちで財産を手に入れる方法を具体的に見てきた。では、反対の、財産を守る立場の場合は、こうした「悪魔の相続術」にどう対抗すればいいのか。

基本はこちらが相手より早く動くことだ。

まず生命保険の場合は、受取人になろうとする他の相続人に先んじて老親を説得しておく。もし兄弟の誰かが保険金を独占するともめる危険が高いなら、受取人を「長男50%、次男50%」のように、割合で指定するという手もある。

また、預貯金の仮払いについても早く動けば、相手をブロックできる。

「もし遺言書があるならば、いち早く銀行に行って『自分が預金を相続した』という通知をします。民法に規定があるので、これで他の相続人に預金を取られずに済むのです」(前出・内藤氏)

 

実家の権利についても、登記される前にこちらが登記するしかない。

もし老親が残したのが自筆の遺言書(自筆証書遺言)であった場合は、急いで家庭裁判所に行く必要がある。

署名捺印があるかなど、その遺言書が有効な形式かどうかを確認(検認)してもらう。ただし、これには1ヵ月程度の時間がかかるため、この間に登記申請をされたら終わりだ。

こうした事態を防ぐためには、老親が生きているうちに準備をしておくことが重要だ。

まず、できるだけ早く登記をするために公正証書遺言を作ってもらう。

「公正証書遺言は公証人立ち会いのもとで作られているため、検認の手間がありません。ですから迅速に登記することができます」(前出・田中氏)

公正証書遺言の作成には、財産額によるが3万円前後はかかる。費用負担は軽くないが、自筆証書遺言より圧倒的に早く登記を始められる。

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