物価上昇目標2%に固執して、世界の金利は間もなく「水没」する

「最大の被害者」は、資産運用業と家計
高田 創 プロフィール

副作用は資産運用業と家計に

いまや世界が金利水没することによる副作用を真剣に考える必要が生じている。

超低金利による勝ち組と負け組は明らかだ。次の図表3は日本のマイナス金利による勝ち組と負け組を示す一覧表だ。

勝ち組は、大量に負債をもつ政府と企業、負け組は銀行や保険・年金の金融機関、それと家計である。

すなわち、超低金利策は金融機関・家計に対する隠れた税金を課す効果をもつ。また、企業に補助金を支出する構造にある。

その結果、金融機関では収支が低下し存続への不安が生じ、さらに保険・年金等の資産運用業にもマイナスの影響が生ずる。家計の収入も圧迫され、個人消費に影響が及ぶ。

昨今、MMT(現代金融政策理論)の議論が生じるのは、このようなの構図のなか、最大の受益者である政府が、一定の資金を使うべきだという見方と考えることもできる。

昨今、世界各地でポピュリスムの台頭で財政での家計へのバラマキ的議論が生じるのは、以上の資金移転環境下で生じうる自然な流れと考えることもできる。

 

■図表3:マイナス金利政策導入後の金利低下による部門別所得移転の効果(概算)                               (億円)

(注)2016年1Qから2018年2Qまでの効果の累計。
   一般政府の利益には市中発行額の超過収入(28年度実績)を含む。
(資料) 日本銀行「資金循環統計」より、みずほ総合研究所作成

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