神戸市の「タワマン建設規制」、こんな「副作用」が待ち受けている

それは「衰退への道」かもしれない
加谷 珪一 プロフィール

戦後の日本は住宅地とオフィス街を明確に分け、公共交通機関を使って大量輸送するというかなり特殊な都市政策を行ってきた(結果的にそうなっただけかもしれないが)。都市の中心部に、ビジネス機能や住宅機能が高度に集約させるというのは初めての試みであり、その意味では、総合的な議論や対策が必要となるだろう。

市の中心部に立地する集合住宅が増えていることから、いわゆる繁華街の商店や飲食店と、新しい住民との間で騒音などをめぐってトラブルになるケースも増えている。日本のマンションは静かな住宅地にあることが前提となっており、先進諸外国と比較して断熱や防音の性能が著しく低い。

 

日本経済の貧困化に伴い、住宅の購入が困難な労働者が増えていることや、高齢化の進展で、住宅難民となる高齢者が急増することも予想されている。日本の住宅政策は新築一辺倒で、賃貸住宅の整備はほとんど手つかずだが、こうした姿勢についても見直しが必要だ。

都市部への人口集約を進めるにしても、物件の設計や賃貸住宅支援など、総合的な政策が必要であり、住民も都市型生活者としての自覚を持つことが求められる。タワマン建設の是非については、単体の問題として扱わず、こうした大きな枠組みの中で議論していく方がよいだろう。

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