2019.09.14
# 企業・経営

夢のリニア中央新幹線、乗ってみてわかった「実現への不安」

まだ道のりは長そうだ
川辺 謙一 プロフィール

営業運転できるのか?

これらの「挑戦」は、果たして実を結ぶのか。筆者は、それに疑問を感じ、JR東海の専務執行役員兼中央新幹線推進本部リニア開発本部長を取材し、超電導リニアで懸念される課題について直接質問をしたことがある。ところが、納得できる回答は得られなかった。

JR東海は、米国に対して、その大動脈である北東回廊に超電導リニアを導入することを働きかけているが、先行きは不透明だ。とくに2017年にトランプ大統領が就任してからは、米国で高速鉄道を整備する動きがトーンダウンしたこともあり、交渉が停滞しているとメディアが報じている。

 

以上のことから、筆者は、超電導リニアの開発はそろそろ「潮時」であり、中央新幹線への導入を断念することも視野に入れるべき状況だと考える。JR東海が主張するように、東海道新幹線のバイパスを造って、輸送ルートの二重系化を図ることが中央新幹線の目的なのであれば、従来の鉄輪式で開業させればいい。

もちろんJR東海は、発足直後から30年以上にわたって超電導リニアに巨額の開発費を投じてきたし、国民や政府、地方自治体からの期待もあるので、今更かんたんには開発を止められない。

とはいえ、前述したL0系の状況を踏まえれば、超電導リニアを営業運転に耐えうるものに仕上げるには、まだまだ相当長い時間がかかるだろう。しかも、米国はその技術を買ってくれそうにないので、開発費が回収できる見込みも立たない。こうした状況に対する葛藤が、JR東海の現経営陣にはあるのではないだろうか。

関連記事