2019.09.20

時代錯誤の「中小企業」優遇を続ければ、日本経済はまもなく行き詰まる

国を揺るがす「激変」に耐えられるのか

国の未来がかかっている

私はいまの日本は、非常に大きな分岐点に差しかかっていると考えています。後世の人々がこの時代を振り返った時、日本という国の形が根本から変わったと認識するような「激変」が近いうちに起きると考えています。

日本の命運を握っているのは、言うまでもなく日本政府です。前回の東京オリンピックの時にできた産業構造を、2020年のオリンピックを契機に、いまの時代に適う産業構造へと転換することができるかどうかで、日本の未来は大きく変わってきます。

しかし、もし日本政府が激しい抵抗に屈して、それが実現されなくとも、この転換はいずれ間違いなく訪れます。首都直下地震と南海トラフ地震はいつ起きてもおかしくないからです。さらにそこへ、近年多発する台風や豪雨という自然災害が重なれば、国家はその災害に対応した形へ否応なしに変化していきます。

つまり、「1964年体制」は遅かれ早かれ是正されるのです。ただひとつ違うのは、それを日本政府が、中小企業経営者の反対を押し切って断行するのか、中国の属国となって彼らの主導のもとで行うのか、ということだけなのです。

日本の国難は、やはり日本人の手によって乗り越えるべきだと私は考えます。この動きは早ければ早いほどダメージが小さくて済みます。国民に痛みの少ないほうがいいのは言うまでもありません。

何が最善なのか。何が科学的なのか。感情論に流されず、論理的に物事を考えることが、いますべての日本人に求められているのではないでしょうか。

『国運の分岐点』「おわりに」より)

  • 『成熟とともに限りある時を生きる』ドミニック・ローホー
  • 『世界で最初に飢えるのは日本』鈴木宣弘
  • 『志望校選びの参考書』矢野耕平
  • 『魚は数をかぞえられるか』バターワース
  • 『神々の復讐』中山茂大