微妙な違いが大きな違和感に

3足とも履いてみることにした。

まずはコンバースから。いままで履いていたコンバースと比べると、一足750グラムから390グラムとほぼ半分の重さ。靴底がとても薄いつくりになっているのがその理由だ。

平行棒の中で歩いてみる。これは軽い。思わず笑みが浮かんでしまうほど、いつもは突っかかる右足が出しやすい。

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これで決まりでもいいのではないかと思いつつ、次のピープルも履いてみることに。これは1足300グラムとさらに百グラム近く軽いのだが、足を下ろした瞬間に「あ、ダメだ」と感じた。これまでのコンバースとは靴底のカットがまるで違うので、着地の瞬間に違和感を覚えるのだ。慣れれば平気かもしれないが、そこにまた時間を費やすのももったいない気がした。

遠藤氏はそんな私の感想を興味深そうに聞きながら、3足目のミズノのランニングシューズを準備してくれた。

「オレンジがちょっと派手ですけどね。これも履いてみてください」

撮影/森清

黒地にオレンジを配したデザイン。靴底も平らではなく、つま先がぐっと上に向いている。これは歩きにくいかな――そんなことを思いながら北村に履かせてもらい、ゆっくりと立ち上がる。左足を踏み出し、着地する。

「あれ」

次に、右足。もう、笑ってしまうほどに軽く感じられた。3足目のミズノは290グラムと数字上も最軽量なのだが、それ以上に着地の感触やつま先が上がっている感じがとてもしっくりきた。このモデルは、「WAVE EKIDEN 11」というそうだ。歩くどころか、走り出しそうなネーミングだ。

平行棒の間でスタスタと歩く私を見た内田氏から、「乙武さん、外に出てみましょう」と声がかかった。義手をつけてからというもの、平行棒の外で歩くことに多少のためらいを感じるようになっていたが、この靴ならいけるかもしれない。