2019.09.12

日本人は、実は「助け合い」が嫌いだった…国際比較で見る驚きの事実

そして背後にある「政治嫌い」の意識
坂本 治也 プロフィール

同様に、内閣府が2018年に実施した「我が国と諸外国の若者の意識に関する調査」2では、日本を含む7カ国で13〜29歳の若者を対象に「ボランティア活動に対する興味」の有無を尋ねているが、日本の若者のボランティア意欲は調査対象国の中で最も低いことが明らかとなっている(図2)。

図2 国際比較で見た日本の若者のボランティア活動に対する興味
出所:内閣府「令和元年版 子供・若者白書」のデータより筆者作成。

筆者が共同研究者と共に2018年2月に実施した、18〜79歳の日本人を対象とした意識調査(有効回答1528件)においても、「共助」に対する消極姿勢や忌避意識の強さが確認できる。

寄付を年1回程度以上の頻度で行う者は全体の半数に満たないボランティアや献血については、約半数の者が過去に「経験(経験の記憶)がない」と答えている。それらに比べれば、道に迷っている人の道案内は、比較的取り組まれることは多いが、それでも頻繁に行っている者は少ない。

他方、友人や会社関係の人々におごったり、金品を贈ったりする機会は、それなりにあるようだ。しかし、そういった他者に対する「贈与」は、顔見知りの狭い仲間内の範囲で行われることが多く、見知らぬ他者に対してまでは広がっていない(図3)。

図3 「共助」活動の行動頻度
出所:坂本治也・秦正樹・梶原晶「政治と社会に関する調査」2018年2月。

 

自治会活動やNPOに「関わりたくない」

実際の「行動頻度」ではなく、「関与意識」について見ても、自治会活動、NPO・市民活動、1万円以上の寄付(=「社会的投資」としての積極的寄付)などに積極的に関与したいと答えた者はごく一部にすぎない。逆に、それらに「関わりたくない」と明確な忌避意識を示す者がおよそ4割にも上っている。

他方、ボランティア活動については忌避意識をもつ者は23%と少ない。しかし、「やってみたい(今後もやっていく)」と積極的な関与意識を示す者は26%にとどまっており、やはり好んで行われる活動とは言い難い(図4)。

図4 政治参加と「共助」活動参加への関与意識
出所:坂本治也・秦正樹・梶原晶「政治と社会に関する調査」2018年2月。

図5に示すように、じつは日本人の社会貢献意識は1990年代以降、年々増加傾向にある。「何か社会のために役立ちたい」という利他的な気持ちをもつ者の割合自体は、決して少なくないのである。しかし、そういった利他心を活かす手段として、自治会、NPO・市民活動、ボランティア、寄付などが多くの人々に十分受け入れられていないのが現状である。

図5 社会貢献意識の推移
出所:内閣府「社会貢献に関する世論調査」より筆者作成。

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