地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
「パブロフの犬」の実験といえば聞いたことがない人はいない、イワン・ペトローヴィチ・パブロフ(Ivan Petrovich Pavlov、1849-1936)は、ロシア西部の街リャザン(リャザン州)で、貧しい牧師の長男として生まれました。

イワン・ペトローヴィチ・パブロフ photo by gettyimages
少年時代に大けがを負うなど苦労の後、神学校を経てサンクトペテルブルク大学に進学。卒業後ドイツに留学し、実験技術などを学び、1890年にソ連軍医アカデミーの薬理学教授に。1904年ノーベル生理学医学賞を受賞しました。
1902年に発見した「パブロフの犬」とは、犬にベルを鳴らしてえさを与えていると、ベルを鳴らしただけで犬が唾液を分泌するようになるという生理現象を解明した実験のこと。その後この「条件反射」は、ヒトの行動選択の心理学の基本として広く研究され、利用されることになるのです。

パブロフ(写真中央)とスタッフと犬 photo by gettyimages
ちなみに、ノーベル賞で得た賞金は、ロシア革命時にボリシュビキ党に没収されそうになり、国外移住も考えたそうですが、偉大な科学者の国外流出を恐れたレーニンによって全面的なバックアップを受けるようになったということです。