2019.09.21
# ビジネススキル

エリートも知識人も、これからは「嘘をつく人」が真っ先に淘汰される

情報の非対称性は消えた
大原 浩 プロフィール

自分の言った嘘は覚えておかなければならない

拾った財布を届けるかどうかは、基本的に他人にわからないことなので「自分に嘘をつくかどうか」=「良心」の問題になる。

しかし、他人に嘘をつくかどうかは、「他人にばれるリスク」があるので、かなり事情が異なる。

世間で「嘘つき」の代表格としてよく取り上げられるのは政治家だ。「選挙公約」など全く守らなくても再選できる場合も多いから、「嘘をつき放題」の職業と世間から思われても仕方が無い(そのような嘘を許す有権者にも大きな問題があるが……)。

しかし、インターネットの発達によって「嘘フリー」な職業にも変化が生じてきているように思える。

例えば、二重国籍疑惑が問題になったある野党議員がいる。違法性云々は、本記事のテーマでは無いので論じないが、注目すべきは数十年前の雑誌などでの発言が掘り起こされて拡散されたことである。

もし、数十年も前のことだから誰も覚えていないだろう(本人も忘れていたかもしれない……)と思って、嘘をついても、誰かが丹念に調べてネットで流すし、インターネットの発達以降は過去の言動を一発で検索できる。

一時期「ネット上での忘れられる権利」が話題になっていたが、その権利をもっとも駆使したいのは「嘘つき」の人々であろう。

 

もともと、嘘をつくためには、過去の自分の嘘をすべて覚えておかなければならないから、かなりの記憶力が必要なのだが、それは嘘つきの達人にとってもかなり難しいので、実際には、嘘をつき続けていると話に矛盾が生じる。

優秀な詐欺師は、まずカモを孤立させ、他からの情報との照合で自分の嘘がばれないようにする。それでも矛盾が生じてくるから、その矛盾をどのようにうまくごまかすかが、詐欺師が成功するかどうかの分かれ目である。

筆者にはそんな大変なことはできないし、加齢による記憶力の衰えも痛感している。だから、嘘をつかないよう心掛けているが、決して道徳的なわけでは無い。その方が楽だし、合理的だからだ。

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