2016年、コヴェントリー大学のリチャードソンらは、コーヒーの摂取が筋トレのパフォーマンスに与える影響について検証しました。トレーニング経験のある20代の被験者を集め、4つの飲料(砂糖水、カフェイン入りコーヒー、カフェインレスのコーヒー、カフェインの錠剤)を摂取し、その1時間後にスクワットとベンチプレスを疲労困憊になるまでの行い、その総負荷量が計測されました。
その結果、スクワット、ベンチプレスともにカフェイン入りコーヒー、カフェインの錠剤を摂取すると、砂糖水やカフェインレスのコーヒーに比べて有意な総負荷量の増加を示しました。また、カフェイン入りコーヒーはカフェインの錠剤より高い総負荷量を示したのです。

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驚くことに、ただカフェインを摂取するよりもコーヒーでカフェインを摂取したほうがトレーニングのパフォーマンスが向上することが示唆されました。この理由をリチャードソンらはこのように説明しています。
カフェインは錠剤やカプセルで摂取するよりも、液体で摂取することによって、口内からの吸収率が高くなります。この吸収率の向上から、コーヒーによるカフェインの摂取は錠剤などで摂取するよりもトレーニングのパフォーマンスを向上させる述べています。
また、コーヒーに含まれるポリフェノールやフラボノイドには抗酸化作用があります。ポリフェノールを摂取することにより、運動による酸化を防ぎ、パフォーマンスを向上させることが報告されています。このようなポリフェノールなどの抗酸化作用がカフェインの効果と相乗して筋トレのパフォーマンスを向上させたと推察しています。
これらの研究結果から、 コーヒーの摂取は「カフェインの吸収効率を高め、ポリフェノールなどの成分と合わさることによって筋トレのパフォーマンスを高める」と考えられているのです。