コーヒーを飲む最適な量とタイミング
では、いつ、どのくらいのコーヒーを飲むと筋トレのパフォーマンスが向上するのでしょうか?
リチャードソンらの研究では、トレーニングの1時間前に体重1kgあたり5mgのカフェインを摂取しています。これは体重60kgだと300mgのカフェインに相当します。この量を摂取するためには、約500mlのコーヒーを飲まなければなりません。これはスターバックスのグランデサイズ(480ml)と同等です。

しかし、さすがに500mlは多いです。これに対してリチャードソンらは、3mg/kgのカフェインでも運動パフォーマンスが高まるという過去の報告から、筋トレにおいても3mg/kgのカフェインでもパフォーマンスを向上させる可能性があると述べています。このカフェインの量であれば、トールサイズ(350ml)のコーヒーでも効果が期待できます。
注意点は、筋トレのパフォーマンスを高めようとして多量のコーヒーを飲んでしまうことです。多量のコーヒーを飲むと、含まれるカフェインを多量に摂取することになります。多量のカフェインは、血管の収縮を誘発し、血圧を高くしてしまいます。また、体重1kgあたり9mg以上の高用量でカフェインを摂取すると不眠の副作用が顕著になることが報告されています。このような副作用を招かないためにも、筋トレ前にはトールサイズ程度のコーヒーにとどめておくのが良いでしょう。
コーヒーの摂取は、筋トレのパフォーマンスだけでなく、カテコールアミンの分泌量の増加による集中力や気分を高める効果もあります。
筋トレの前には、カフェでゆっくりコーヒーを飲んでからジムに向かってみましょう。集中力が高まり、筋力も増強することによって最高のトレーニング・パフォーマンスが得られるはずです。