2019.10.03
# 節約 # マンション

マンションの共用施設を見れば「損か得か」一瞬で判断できるワケ

その管理費、ホントに適切?
村上 智史 プロフィール

第一に、20階以上の超高層マンションの場合、高速エレベーターが4〜6台設置されているのが普通ですが、複雑な制御装置を備えたハイエンドな製品のため、製造メーカーしか保守点検や修繕できないのが実情です。そのため、低層用などの汎用的なエレベーターと異なり、メーカー系列以外の点検会社に変更することでコスト削減することができません。これは、タワー式の駐車場のメンテナンス費用についても同様です。

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第二に、巷間よく言われる大規模修繕工事に関する問題です。マンションの大規模修繕の場合、防水機能の維持を主な目的として外壁面の補修やバルコニー・窓サッシ周りなどのシーリング打ち直し工事を実施しますが、その際には作業を円滑に行うため外壁面に足場を設置することが必要になります。

こうした足場設置・解体の費用は一般のマンションでも工事費全体の2割程度を占めると言われています。しかし、これが超高層のマンションになるとゴンドラや移動式昇降足場などの特殊な対応が必要となるため、その分費用が嵩むことになります。

さらに、工期についても通常は4〜6ヵ月程度とされていますが、タワマンの場合、「1フロアあたり1ヵ月」が目安とされています。つまり、40階建てなら3年4ヵ月(40ヵ月)もかかる計算になるため、必然的にコストも割高になってきます。また、高層階では風も強く、強風の日は作業ができないため工期が伸びがちというリスクもあります。

 

このように通常よりも経済的な負担が膨らむ可能性の高いリスクに対してしっかり対策ができているかどうかが重要です。そして、それを客観的に判断する材料が、管理組合の長期修繕計画です。

一般的に新築マンション販売時の修繕積立金は、分譲業者の販売戦略上故意に低い金額(国が示すガイドラインの1/2以下)で設定しています。そのため、管理組合は、経年的に徴収額を増額していかないと将来的に資金不足に陥る「宿命」を背負わされているのです。

既存のマンションの75%は国の目安を下回る金額しか徴収していないとされています。しかも、より修繕コストが嵩むとされているタワマンの方が通常のマンションよりも国の目安が下回っている比率が高い、つまり管理組合の財政事情がさらに激しいのが実態なのです(「日本経済新聞」2018年3月26日より)。

新築販売時の魅力的な謳い文句や世間的な人気に惑わされて、結果的に高い買い物をさせられないためには、マンションには維持管理費がかかるという「不都合な現実」から目を背けず、長期的な視点に立って冷徹な判断を下すことが大切だと思います。

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