「いつでも自然妊娠できる」と思っていた

働き盛りの20代から30代半ばは、「その気になればいつでも自然に妊娠できる」と思っていた。「卵子の老化」という言葉はどこかで聞いたことがあるものの、自分に限っては大丈夫と思っていたのだ。定期的な健康診断でも婦人科系で指摘される項目は無く、適度な運動をしながら標準体型を保ち続けているので、後は自分がいつ産みたいかというキメの問題だと過信していたのである。

健康診断で問題はなく、自身も適度な運動で体型を維持……「自分は大丈夫」と思ってしまうのもよくわかる Photo by iStock

37歳になってキャリア形成が一山越えたと納得がいったタイミングで「さぁ子供を産むぞ」となったのだが、自然妊娠がダメ、タイミング法でもダメ、人工授精をしてもダメと分かってから、高度不妊治療技術の力を借りてでも何とかして自分の子供が欲しいと切実に思うようになった。

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この時点で、「自分の子供」というのは当然自己卵子での妊娠・出産を想定している。医療技術の力は借りるものの、自分の血と遺伝子を受け継ぐ子供であれば、自然妊娠して生まれてくる子供と何ら変わりないと思っていたので、38歳を目前にして体外受精・顕微授精に治療を進めることには全く抵抗が無かった。

ところが、第三者から提供される卵子を用いた不妊治療となると一番大きな前提が変わってくる。治療が上手くいって妊娠・出産まで至ったとして、自分自身が生まれてくる子供の生物学的な母親ではないということに大きな葛藤があるのだ。私自身が生まれてくる子供を「自分の子供」と実感できるのか、生まれてきた本人がどう感じるのか、夫や家族はどう受け止めるのか、など考え出すとキリがない。