いまや我々の生活に欠かせないパソコンやスマホ。でもいったいみんな何を検索しているのだろう。ビッグデータを解析することで、これまで知ることのできなかった日本人の新事実が明らかになった。
初任給の使い道は?
「新入社員は5月に会社を辞めたくなり、6月に社内恋愛に憧れる」
若かりし頃を思い出して、「私もそうでした!」とか「確かに周りにそんなヤツがいたな」という読者諸兄も多いだろう。
それもそのはず、これは統計的に証明されたひとつの事実なのだ。説明するのは、「Yahoo!ビッグデータレポートチーム」の編集長・池宮伸次氏だ。
「スマホの普及で、いまや日本人の多くは、困ったことやわからないことがあると、まずネットで検索して解決方法を探す傾向にあります。
その検索データの蓄積を分析すれば、どういう属性にいる人たちが、年間のどの時期に、どのような出来事に直面したり、不安や悩みを抱いたりするのか推定できるのです」
'96年から現在まで、日本の代表的なウェブサービスとしての地位を確立しているヤフーには、日々、何千万人単位の日本人の膨大なデータが蓄積されている。
こうして集められたデータ群である「ビッグデータ」を解析することで、日本人に関するさまざまな新事実がわかってきたという。
「これまで感情や気分、感覚という要素については、統計データがなかったり、そもそも調査が難しかったりしました。でも大量の検索されたキーワードを分析することによって言語化、可視化できるようになってきたのです」(池宮氏)
池宮氏の属するYahoo!ビッグデータレポートチームは、データの持つ力と面白さをわかりやすく、広く世に伝えるため、さまざまなレポートを作成してきた。
それを1冊の本にまとめたのが、9月に刊行された『ビッグデータ探偵団』(講談社現代新書)だ。ビッグデータによって判明した「日本人の正体」を見ていこう。