2019.10.22
# 週刊現代 # 生物

衝撃! 猫と暮らせば、人間の「謎な行動」の裏付けができる可能性

「猫脳」のすべてを知りたい

猫のほうが信頼できる

評者は猫好きだ。中学1年生のときから、いつも周囲には猫がいた。しかし、猫を心の底から信頼するようになったのは、2002年5月に鈴木宗男事件に連座して、東京地方検察庁特別捜査部に逮捕され、小菅ヒルズ(東京拘置所)の独房で512日過ごした後だ。

最初の夏と冬は冷暖房のない獄舎で暮らした。夏は房内の温度が40度近くになり、蒸し風呂のような暑さで頭がくらくらした。冬、雪が降ると房内の気温は5~6度になり、寒さで全身が震える。こういう環境も慣れれば何とかなった。また、検察官の厳しい取り調べにも耐え抜くことができた。

しかし、起訴された後、独房に差し入れられた調書を読んだときには衝撃を受けた。評者が信頼していた外務省の上司や同僚、さらに親しくしていた学者が、評者を悪し様に罵り、厳罰に処すようにと供述していたからだ。

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信頼関係が確立したと思っていても、人間は簡単に裏切るという現実を知った。もっともこういう人たちは、評者が職業作家として自立してからは、「あのときは検察の圧力に屈して、心ならずも真意に反する供述をした」などと言って擦り寄ってくる。

評者は「わかりますよ。宗男バッシングの嵐の中では誰だってそうしますよね」と答えるが、そういう人たちのことは絶対に信用しない。

 

人間と比較すると猫の方がずっと信用できる。

構築された信頼関係を猫の方から裏切ることはない。いかなる状況でも猫が東京地検特捜部に駆け込んで評者を弾劾する供述調書に署名、捺印することはない。獄中経験を経て、評者の猫に対する信頼感は絶大になった。

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