即位してから輝きを増した雅子さま
天皇陛下が即位されて以来、雅子さまに対する風向きはガラリと変わったように思える。
5月1日、テレビで生中継された「即位後朝見の儀」。天皇陛下の傍らに立つ純白のローブデコルテの雅子さまは美しく、すでに皇后としてのオーラをまとっているように見えた。その3日後、令和初の一般参賀に皇居を訪れた人の数は約14万人。国中の人たちが新時代の天皇皇后両陛下の誕生を祝っていた。
が、その数ヵ月前までは、雅子さまが皇后になられることに不安を抱いていた人も多いのではないだろうか。
2003年12月に帯状疱疹で入院された雅子さまは、翌年から体調不良で療養生活に入られた。後に「適応障害」という病名が発表され、公務もほとんどできない状態に。ご成婚から26年のうち、15年以上も療養されている雅子さまに、皇后としての責務が務まるのだろうか……と、正直、私も思うことがあった。
天皇陛下即位後の雅子さまは、幸いにも体調が安定されているように見える。即位に伴う儀式や行事も無事に終えられ、笑顔で公務を務めるお姿を拝見することも増えた。5月末に、令和初の国賓であるアメリカのトランプ大統領夫妻が来日した時には、堂々たるホストぶりで世界から絶賛されたほどだ。

だが、立派に責務を果たされる雅子皇后を頼もしく思う一方で、「皇后になられた途端にお元気になられた」「なぜ皇太子妃時代には公務ができなかったのか」と訝しむ人もいるかもしれない。これまでも、雅子さまのご病気に関しては、「ワガママ病」「皇太子妃の自覚が足りない」などと、さんざん叩かれてきたのだ。
精神的な病気は、他人からは理解されにくい。しかし、「適応障害」は、決して「ワガママ病」などというものではない。自身ではどうにもコントロールすることのできない病に、雅子さまは長年苦しまれてきたのだ。
現在の皇后の晴れやかな笑顔は、天皇陛下や愛子さま、ご家族や周囲の人たちに支えられながら、もがき苦しみ、必死に闘い、ようやく取り戻しつつあるものだ。
それでは、なぜ日本のプリンセスは、長い間笑顔を失うことになってしまったのだろうか? そして、どうやって苦難と絶望を乗り越えてこられたのだろうか……。
それを紐解いていく前に、まず改めて、雅子さまがどんな女性だったのかを知っていただきたい。