死ぬまで拘束…日本人が知らない「乳牛の残酷生涯」

牛乳に飼育法が書かれないワケ

ある乳牛の生涯

チーズ、ヨーグルト、牛乳――それらの原料を作っている乳牛たちの生涯を知っているだろうか。

ある農場にいた乳牛のアカネ(仮称)が今年死亡したので、その生涯を紹介したい。

 

アカネは10年前に生まれ、2ヵ月後に、殺されるまで過ごすことになる酪農場に売られてきた。

その農場で彼女は短いロープで拘束された。硬いコンクリートに薄い不潔なマットが敷いてある床の上で、長い時間ただ立ち尽くし、同じ場所に寝そべり、何度も寝返りをうち、また立つ、ということをずっと繰り返す。

後ろに下がるとそこには糞尿を流す側溝があり、足を取られる。前には木の棒があって餌を食べるために頭を出すのがやっと。横にも木の棒があって、隣の牛が居て、ほとんど身動きは取れない。

彼女の足は、硬い床の上で次第に摩耗し、関節部分の毛が禿げ、切り傷ができ、血が出て、肉が見えるようになった。

そこを時折カラスが突く。傷口に糞が入り、細菌に感染し、ハエがたかり、痛みが強くなり、次第に細胞が壊死し、その傷口はぽっかりと穴のようになる。

傷口の大きさは直径18cm。その関節の上に、700キログラムの体重をかけて寝起きしなくてはらないため、アカネはほとんどの時間を立って過ごしていた。

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