「日本の素晴らしさ」を感じた各国の首脳たち
天皇、皇后両陛下のパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」(11月10日)でもって、先月22日から始まった「即位の礼」の一連の儀式が終わる。皇室外交の観点から見るならば、徳仁天皇と雅子皇后は新しい日本のイメージを国際社会に発信することに成功した。
宮中晩餐会などでの若々しく、明るく、にこやかなご夫妻の立ち振る舞いは、長い歴史をもった皇室の伝統との対比の中で新鮮な印象を与えたと思われる。
ある欧州の大使は、「即位正殿の儀」に列席するため本国から来た元首脳をアテンドした。その元首脳は初日の晩餐会が終わったあと宿舎への帰路、大使に「ハイテクで知られる日本が、あのような古式ゆかしい伝統儀式をいまに保持しているとは知らなかった」としみじみ語ったという。

日本の外務省OBは「中国の、心あるそれなりの立場にある複数人から感想をもらった」と言う。「中国の古代王朝の影響が残る文化を日本はきちんと保持し、本家の中国は残していない。日本の素晴らしさです」という内容だったという。
今回、列席したルクセンブルクのアンリ大公夫妻は、2年前の2017年11月に国賓で来日している。この時、宮中晩餐会の答礼スピーチで「伝統への愛着と近代的なものへの開放性が他に例のない形で融合した日本は、今後も私どもを魅了し続けるでしょう」と述べた。これは列席した183カ国の元首、王族、首脳らの共通した感想だったように思う。