今、世界のヘルスコンシャスな人の間ではメープルシロップが人気。愛好家である料理研究家の有元葉子さんに、その魅力を聞きます。

お話を伺ったのは……
有元葉子 Yoko Arimoto
素材の持ち味を生かし、余分なものを入れない引き算の料理が人気。東京・田園調布で料理教室「COOKING CLASS」を主宰し、自由な発想でレッスンを行う。料理教室と同じ建物にある「SHOP281」には、自身が使う基本調味料や油、キッチン道具などが揃う。

 

今日から真似したい
和食にもメープルシロップ

素材を生かした滋味深い料理で知られる、料理研究家の有元葉子さん。広い年齢層のファンをもつ彼女のレシピでお馴染みのアイテムが、メープルシロップだ。

「サトウカエデの樹液そのものなので、天然成分100%というのが、まず素晴らしい。それに栄養が豊富で、砂糖よりもカロリーが低いので、どなた向けのお料理にも安心して使えます。もちろん味も、まろやかな甘みで美味しい」。

確かに、天然・ヘルシー・美味しい、とここまで三拍子揃う甘味料はなかなか無いかも。

そんな有元さんのオススメは、和食に使うこと。ちょっと意外だけれど、実は「メープルは味噌や醬油、米酢と相性が良いんです。私はいつもゴールデン(和食に使うならゴールデンタイプを。他のグレードでは濃くなりすぎてしまい味のバランスが難しいとのこと)を、砂糖やみりんの代わりに使っています」と言う。

メープルシロップは240種ものフレーバーを含むというから、繊細な味を生かしつつ、深みをより引き出してくれるのかも。

なかでも初心者さんにはコレ、と太鼓判を押してくれたのが、鮭の照り焼き。というのも「メープルシロップは沸点が高いので、とろりとしたタレが良い状態で作りやすく焦げにくい」のだとか。

また、有元さんが「ケベックの有名レストランシェフに作り方を教えたところ非常に気に入っていただけた」という逸話付きのメープル味噌の焼きおにぎりも、聞いただけで甘く香ばしい味が口いっぱいに広がってくる。どちらも砂糖やみりんをメープルシロップに置き換えるだけで、あとは普段のレシピ通り。

同じ要領で、焼き鳥のタレ、甘い胡麻味噌ダレ、寿司酢、生姜の甘酢漬け、生姜焼き、照り焼き、焼き豚、かぼちゃの煮物、等々にもマッチするとのこと。あれ、もしかしてほとんどの和食に合うのでは!? これほど万能だなんて……メープル、恐れ入りました。