日本で「変人」扱いされた「熱帯女子」、アメリカで大学教員になる

あるリケジョの汗と涙の記録
杉山 杏奈 プロフィール

多様性を良しとする

私がアメリカでもっとも魅力的に感じるのは、自由や個人が尊重される文化だ。様々な人種、言語、文化の人がいて、大学院生も日本と比べて多様である。たとえば男女の比率だが、日本では、理系の大学・大学院に進む女性は少ない。私の専攻する生命科学分野は比較的女性が多い方だが、日本の大学では男子校のようだった。他方、アメリカの大学院では半分くらいが女性だった。

ファッションについても、日本では、髪を派手な色に染めている学生やタトゥーを入れている大学院生はほとんどいない。アメリカでは、髪を青く染めている人、タトゥー・ピアスだらけの人、いろいろな人がいるのが当たり前だ。他者に対する寛容性が高い。

ジョージア大学のシンボルにもなっているアーチ
 

また、やるべき仕事をやってさえいれば、教員でも日中ジムに行こうが、家で仕事をしようが自由である。キャンパスにいなければいけない理由がなければ、家かカフェで仕事をする、という学生もけっこういた。

私は日本で過ごした大学時代、何かと変わり者扱いされ、もしかしたら自分は変わっているのだろうかと思うようになった(これを「刷り込み」という)。そういう人間からすると、アメリカ社会は非常に楽である。アメリカに来てからは、日本人以外には一度も「変わっている」と言われたことがない。みなが同じであることを強制する社会よりも、それぞれが好きなようにすることを当たり前に受け入れられる社会の方が、みなに生きやすいのではないか。

アメリカは多様性を良しとする文化があるが、これには合理的な理由もある。例えば、人種や性別の多様性が高い企業の方が収益や営業実績が良いなど、学術研究に留まらず、メンバーの多様性の高さが仕事の質や生産性を高めることを示した研究があるのだ。そのため、アメリカでは、さらに多様性を高めようという動きがある。

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