24歳のときにリウマチを発症し、長年闘病を続けてきた小西恵美子さん。薬漬けの日々を脱却したいと、鍼灸やツボナージュなどの東洋医学も学んで体質改善の決意をしたのは、発症してから20年近く経ってからのことだった。
そして今、発症より30年経って、一番体調がよく、薬のない生活を送っている。治療法については小西さん個人の体験ではあり、治療の効果は個人差があるが、身体の仕組みや栄養の意味を知り、身体本来の力を強めるのは、健康な体の人にとっても大切なことではないだろうか。
そこで今回は小西さんが学んだ栄養学から、前回はトマトとアボカドなど「疲れにくくなる身体つくり」に必要な食べ方を伝えてもらった。今回は日々の食事を俯瞰で見て「何をどう食べたらいいか」を具体的に伝えてもらおう。
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若い頃の生活の結果が晩年に出る
新聞や雑誌、書籍と健康になるための記事をよく目にする。テレビでは、病気についてや身体にいい食べものの番組を毎日のようにやっている。バランスのよい食事をするのがいいことは誰もが知っている。バランスのいい食事とは、いろいろな種類のものを食べると認識しているが、具体的にあげよ、と言われると曖昧になってしまう。
テレビで〇〇が身体にいいとか、ダイエットにいいと放送されれば、すぐにスーパーマーケットからその商品がなくなる。たしかに有効だと思うが、それをたくさん食べればいいというわけではない。その情報に飛びついていることから、多くの人が健康に関心が高いことはわかる。
身体は約60兆個の細胞からできていて、細胞はタンパク質からできている。免疫力をあげ、病にならない健康な状態を維持するためにも、病を快方に向かわせるためにもタンパク質が重要だとわかる。ほかにも身体を正常に維持するために、ビタミン、ミネラルなどたくさんの栄養素が必要だ。私たちは生まれると口から栄養を体内に入れ、命が尽きるまで続く。

つまり若い頃から中年期までに送ってきた生活が、それ以降に結果として示される。食生活の乱れ、短く質の悪い睡眠時間という不摂生な生活が何十年も続いたあとの私の身体を想像するとゾッとした。若ければ身体は筋肉も体力もあり、活性酸素の除去や免疫反応にも欠かせないミトコンドリアも100%なので、エラーが起きても補える。しかし栄養欠損となれば、各機能が低下する。エラーを起こすのは当然の成り行きだ。さらに年齢を重ねるごとに各機能の衰えが加わる。大切なのは食生活と生活習慣ということは明らかだ。
てんぷらやカツ、唐揚げなど油を使った料理を多く食べていたり、野菜は少なく肉ばかりだと、血液はドロドロになり、栄養や酸素を各所に運べない。また血液は老廃物を運んで新陳代謝を促すはずが滞っていく。汚く不要なものが体内に堆積すれば病につながる。
栄養素が体内に入り、身体中に運ばれていけば、各所は正しく機能して、自然治癒力があがる。そのような身体にするためにも食べ物はとても大切だ。