三つ巴の熾烈な優勝争い
2019年のJリーグが佳境を迎えている。
優勝争いは大混戦だ。第31節終了時点で勝ち点3差以内に上位3チームがひしめく。FC東京が勝ち点62でトップに立ち、2位に同61の横浜F・マリノス、3位に同59の鹿島アントラーズが続く。

2連覇中の川崎フロンターレは同57で4位につけているが、3チームより1試合多く消化している。数字上は可能性を残すが、残り2連勝しても勝ち点は63までしか伸ばせない。つまり第32節でFC東京か、横浜が勝ち点3を積み上げれば届かなくなる。現実的には三つ巴の優勝争いと言っていいだろう。
FC東京には悲願のリーグ初制覇への強い思いがあり、横浜には自慢の攻撃サッカーでチームに勢いがある。鹿島には8度のリーグチャンピオンという経験値がある。
残り3試合において勝ち点3差以内に上位3チーム以上がひしめく状況は、過去10年において二度ある。6年前の2013年シーズンは、実に衝撃的な結末が待っていた。
横浜が勝ち点59でトップに立ち、2位浦和レッズ(58)、3位サンフレッチェ広島(57)、4位鹿島(56)という順位だった。残り3試合となって、横浜が第32節で勝利したのに対して浦和、広島、鹿島がいずれも負けたために勝ち点差が4に開いたのだ。
どう見ても横浜が優勝する流れだと思ったが、残り2試合でまさかの2連敗。逆に森保一監督率いる広島がここから2連勝して、大逆転でリーグ2連覇を果たしたのだった。このとき浦和も横浜にお付き合いして連敗を続け、最終的には6位に沈んでいる。鹿島も1勝2敗で5位にとどまった。