「データってすごい! 面白い!」と感じてもらうために活動している「Yahoo!ビッグデータレポートチーム」、通称「ビッグデータ探偵団」。
その編集長を務める池宮伸次さんが、ビッグデータの魅力と可能性を語った。
夢のような手法
皆さん、仕事をしていると、こんな場面に直面することはありませんか?
「発売した新製品の評判や不満を知りたい!」
「リリースしたサービスに対する要望を把握したい!」
「隙間ニーズを見つけたいが方法がわからない……」
このような悩みを解決する手段はいくつかあります。 アンケート、SNS分析、サポートセンターへの問い合わせ分析、ユーザーヒアリング、レビューサイト分析などなど。
しかし、いざこれらに着手しようとすると、手間も時間もかかって大変です。
Yahoo! JAPANの「ビッグデータ」を使って、もっと簡単に、リアルタイムに、かつなるべく多くの人の声を集めることのできる夢のような手法について、これから皆さんにご紹介したいと思います。
まずは、それを理解するうえで欠かせない、「料理の失敗」の話から始めましょう。
よく失敗する料理ランキング
あなたがよく失敗してしまう料理は、何ですか? だし巻き卵? オムレツ? それともスクランブルエッグ?
失敗しやすそうなイメージがある卵料理を挙げてみましたが、一般的に、人々が失敗しやすい料理にはどんなものがあるのでしょうか。その傾向をインターネットの検索キーワードのデータから分析してみます。
下の図表は「Yahoo!検索」のキーワードのログデータにおける、「〇〇 失敗」で検索されている料理系キーワードのランキングです。
【図】「〇〇 失敗」と検索される料理名ランキング

ご覧の通り、1位は「シフォンケーキ」でした。「梅ジュース」に5倍以上の差をつけて1位と、圧倒的です。あのふわふわでやわらかい生地を作るためには、かなりの試行錯誤が必要のようですね。
では次に、シフォンケーキを作る工程のうち、どのようなタイミングで失敗しているのかを調べてみたいと思います。まずは「シフォンケーキ」とともに検索されているキーワード、「検索第二ワード」を調べてみたところ、検索数の多い順に、次のようになりました。

資料:Yahoo!検索データ(2018年年間)
このランキングを見ても、どのような失敗が多いのかを読み解くことは難しそうです。「第二ワードランキング」は、一般的な関心度の高さや関心ワードを調べるには適した手法ですが、予想しやすく単純なワードが上位にくることが多いため、細かなニーズや細かな関心までを拾い上げるのは難しいという問題があります。