2019.12.05

日本、PISA読解力ランキング「過去最低」これだけ改革して、なぜ…?

「読書離れ」は止まったはずなのに
飯田 一史 プロフィール

「読むだけでは足りない」

PISAにおいて「読解力」とは、単に文章を読んで意味を理解する能力のことを指していない。「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考し、これに取り組む能力」と定義されている。

PISA調査では当初から一覧表、書式、グラフ、図を使ったテキストを用い、物語、解説、論証などの様々な形式の文章をテストに用いている。さらにPISAは2009年調査以降、印刷したテキストだけでなく電子テキストも扱わせている。

これは、テストを受けた子どもたちが、将来、生活および労働で様々な資料(たとえば申込書、広告など)に遭遇することを想定しているからである。

 

つまり、PISA型学力が求める「読解力」とは、従来の日本の国語教育で言う「読解力」とは異なり、生活や仕事で知識が活用され、目的に沿った探求活動に役立てられることが前提の能力である。

そしてこのPISA型学力を追求すべきという立場からすると、「朝の読書活動でも、ただ好きな本を読ませるのではなく、あらかじめ決めたテーマに沿って本を読ませ、子ども同士で感想を話し合わせるなどの工夫が必要だろう」ということになる(宮川俊彦・国語作文教育研究所長の発言。読売新聞、2007年12月5日東京朝刊「OECD国際学習到達度調査 日本の高1、目立つ無解答」より)。

本離れの深刻化さが認識されていた2000年代前半までは、とにかく不読率を下げ、読書冊数を増やすことに目が向いていた。ところが徐々に「ただ読むだけでは足りない。書く・話すといったアウトプットを重視せよ。これは国際的な潮流であり、さもなくば、これからの社会で必要なPISA型学力が身につかない」という風に文科省は力点を変えてきた。

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