2019.12.06
# エンタメ

31歳で夭逝した美しき天才歌手・村上幸子をご存知か

今なおファンが増え続ける
小泉 カツミ プロフィール

1週間に1000人以上が「お詣り」

まいり」というウェブサイトがある。

これは、亡くなった有名人のお墓を模したサイトから、お線香をあげたり、お花をあげたり、コメントを投稿できるサービスだ。もちろんウェブ上でのことである。

1987年8月13日、横浜ジョイナスにて 写真提供/蘇我飛鳥
 

このサイト内に「村上幸子」のコーナーもある。そこには、リアルタイムでここを訪れた人数が表示されている。この1週間で1116人、1ヵ月で5992人、1年だと7万1957人になっている。そして毎日のように、コメントが投稿されている。

「今日も幸子さんの曲を聴いています。ありがとうございます」

「幸子さんの歌を聴くとなぜか涙が止まりません。同年代の私はこれからもさっちゃんの歌を歌っていきます」

ちなみに同サイトの「美空ひばり」の来訪者は1年で2803人。「島倉千代子」で7611人である。知名度的には、だいぶ下に位置するはずの村上幸子は今、これほど多くの人に愛されているのだ。

なぜ、良さに気づけなかったのか…

鈴木裕基さん(64歳)は、今年になって村上幸子にハマったと言う。

「僕は、 YouTubeでいろんな歌手を発掘して聴くのが好きなんです。村上幸子の名前は知っていました。最近見ないからどうしたんだろうな、くらいに思ってたらずいぶん前に亡くなっていたんですね。ある晩、飲んで帰ってきた時に、YouTubeで彼女の歌を二つ聴いた。一つは都はるみの『みちのく風の宿』のカバー。もう一つは、彼女が温泉会場で歌っている『酒場すずめ』でした。動画では宴会場で歌っている彼女が今にも舞台からこちらに降りてきそうな感じでした。慈愛に満ちた彼女の表情がとても良い」

それから鈴木さんは、CDやレコードなどをネット通販で買い漁るようになった。

「アマゾン、メルカリ、ヤフオクと、あらゆる手段を使ってね。サイン色紙なんかも集めて、全部で26万円くらい遣いましたよ。新潟への墓参りもさせていただきました」

村上幸子のどこが魅力なのだろう。鈴木さんが言う。

「あんな清純な演歌の人はいませんよ。何より歌声に惹かれました。声が寒々としてるんですよ。真冬の外気のように。それが演歌の情念をよく表している。それにしても、彼女の生前に彼女の歌の良さに気づけなかったのが残念でなりません…」

関連記事