2020.01.23
# がん

ステージⅣの「肝臓がん」から生還した患者と、その主治医の全告白

難治がん患者を救うサイバーナイフ手術
木野 活明 プロフィール

患者に痛みや苦痛はまったくない

サイバーナイフは先端にX線装置を装着した6つの関節を持つロボットアームが、最大1200本の放射線(X線)を正確に照射し治療するシステムだ。

このロボットはベンツやオペルの自動車工場で精密な組み立て作業に用いられるものと同等のもので、その先端に小型の放射線発生装置リニアックを装着させている。これにより従来のリニアックより空間的自由度の高い照射が可能になっているのだ。

そして、最大の特徴が先に述べた自動位置計測装置だ。

 

巡航ミサイルの目標追尾システムがふたつのX線透視画像から患者の病巣の位置を自動検出し、ロボットが標的の動きを自動的に追尾することで、常にあらゆる角度から自由に高精度な照射を行うことが可能なのだ。

1回の照射だけではなく、病変の種類、部位、症状に応じ何回でも同じように正確に分割照射できる。治療時間も通常30分と短く、患者に痛みや苦痛は全くない。これまで治療が難しいとされてきた頭蓋底や脊髄、骨盤などを含め全身の体幹部(肺、肝臓など内臓)の治療が可能な最新の放射線治療法だ。

大内さんは20歳から45歳まで帝国ホテルで25年間フランス料理のシェフとして腕を磨き、2003年に独立、自宅のある新百合ヶ丘駅の南口にフランス料理店「Ange(アンジュ)」をオープンした。ランチの仕込みが始まる前に、ということで午前10時前に取材で店に伺った。

大きなガラス戸から店内が見えるブルーの玄関ドアを開けると、10坪ほどの店内に7卓が並び、白壁にフランスの風景画のリトグラフが7枚飾られている。奥の厨房から何とも言えない香しい匂いが漂ってきた。

すると、白いコックコートを着た小柄だががっしりした体型で、お腹の周りがポッコリ膨らんだ、小振りのダルマさんのような大内さんがニコニコしながら顔を出してきた。太くて響くてきぱきとした話し振りは、ステージⅣの難治がんの患者とは思えない、熟練のフレンチ職人の姿のものだ。

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