みなさんは、何か植物を育てたことはあるでしょうか。小学校でアサガオやホウセンカを育てたことがある、という人も多いかもしれませんね。私たちヒトを含む動物などと違い、自力で移動することはほとんどありませんが、植物もまた、この地球上で栄えることに成功した生き物です。
大人気シリーズ「現役東大生のサイエンス入門」第3回では、植物がどのようにして生き物として成功できたのか、考えてみたいと思います。
大人気シリーズ「現役東大生のサイエンス入門」第3回では、植物がどのようにして生き物として成功できたのか、考えてみたいと思います。
植物はどうやって繁栄している?
ほとんどの植物は、「光合成」によって生きています。「光合成」とは、太陽の光をあびて、生きるのに必要なエネルギーをつくりだすことです。

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そのため、たいていの植物は動物と違い、他の生き物を食べなくても生きていけるのです。しかし、光合成でつくられるエネルギーはわずかで、動物のように移動をするには足りません。
「この場所は日当たりが悪いから、もっと日の当たるところに行こうかな」、「ここに生えていると食べられてしまうから、もっと安全なところに避難しよう」と、気軽に移動することはできないのです。そこで植物は、移動する以外の手段で栄える方法を見つけだしました。
では、さっそくその方法をみてみましょう。
あえて「悪条件」で暮らす生存戦略
生きていくのにちょうどいい条件がそろっているところは、一方で他の植物との激しい競争の場でもあります。そのため、自分のからだを少し条件が悪いところでも耐えられるように変え、競争を避けて生きる、という方法をとる植物は多いです。
海藻について考えてみましょう。

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海藻の中には、ほとんど光が届かないような深い海に生きるものがあります。浅瀬に生えている海藻をその深さのところまで運んでも、きっと生きていくことはできないでしょう。その違いはいったい何でしょうか。
まず、深い海の海藻と浅瀬に生きる海藻には、見た目ではっきりとわかる違いがあります。それは、色です。