必ず来る大地震…最新データで判明、名古屋と横浜の「Xデー」

壊滅的被害から逃れるには
週刊現代 プロフィール

人口密集地域が液状化

実際に名古屋を巨大な地震が襲った場合は何が起きるのか。

名古屋市が自治体として公表している被害想定によると、直下型地震による最大震度は7に達し、最大で死者は6700人に上るとされる。負傷者は重軽傷者合わせて1万5000人。3万4000棟もの建物が全壊するという。

 

また、名古屋市は市内の人口が集中する西半分の部分が埋め立て地ということが特徴だ。

名古屋市は液状化現象に関する対策を呼び掛けており、人口密集地域である中村区の場合、実に半分近くが液状化現象の危険指定区域となっている。防災・危機管理ジャーナリストの渡辺実氏はこう語る。

「液状化現象が起こると、ビルや建物が傾く、沈むなどの被害だけでなく、地下にある電線や水道管などライフラインがあちこちで寸断されてしまいます。そうなった場合、通常の地震に比べて復旧までに多くの時間を要することになり、二次被害が拡大する」

こうして甚大な被害が発生したところに、続けて東海地震がやって来る。揺れもさることながら、海溝型の東海地震でもっとも警戒しなければならないのは津波だ。

前出・高橋氏によれば、地震発生時、名古屋付近には最大6mの津波が押し寄せるという。

セントレアが水没

この大津波で深刻な危機に陥るのは、中部国際空港(セントレア)である。

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災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は、「セントレアは島のように海上に浮かんでいるため、津波が直撃する」と警告する。地上の乗客らが逃げ遅れれば大惨事になるのはもちろん、仮にうまく逃げられたとしても、

「津波によって空港の建物や一部の航空機材などは押し流されることになり、大きな被害が生じるでしょう」(和田氏)。

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