名古屋だけではない、横浜にも巨大地震の猛威が近づいている。
名古屋大学教授で、地震予知連絡会会長の山岡耕春氏が警告する。
「横浜市から南に10kmほどのところに位置する三浦半島断層群の武山断層帯は、今後30年で6~11%と、高い確率で動くことが想定されています。ここが動いて直下型地震が起きると、横浜市内は震度6以上の強い揺れが想定されます」
今、この断層が注目されている理由について、武蔵野学院大学特任教授で地球物理学者の島村英紀氏はこう語る。
「東日本大震災が、関東の地下の基盤となるプレートをすべて動かしてしまったのです。通常は、フィリピン海プレートは年間4cm、太平洋プレートは年間8cmとじわじわと移動するものでしたが、大震災により、数十年分が一気に移動してしまったと考えられます。
そのため、関東で地震の起こる周期が従来の想定より早まっていると考える必要があります」
東日本大震災により、関東だけでなく東日本全体のプレートが歪んだ。大規模な海溝型地震が起こった後は、地震発生の前と同様、地盤が変化して内陸直下型地震が頻発しやすくなる。

したがって横浜のすぐ近くを通る武山断層帯も、今後30年どころかいつ大地震を起こしてもおかしくないと言えるのだ。
これまで、この断層の活動期間は1600年から1900年周期と考えられてきた。前回は1900年前から2300年前に地震が起きたと見られ、平均的な活動間隔から言えば、実はすでに「リミット」に達しているとの指摘もある。データから見ても危機は目前に迫っている。