2019.12.29
# 週刊現代

『ヒカルの碁』監修、美人棋士・吉原由香里の「人生を支えた本」

10冊を選んでもらった

芯を持った生き方に憧れて

プロ棋士としてデビューする前や直後は、自分のモチベーションを高めるために本を読んでいたように思います。歴史もの、とくに偉人伝が好きでした。

今から考えると、実力がなくまだ何者にもなれていなかったから、芯を持った強い人の生き方に憧れていたんですね。

そうした本の中でも特に印象に残っているのが、『太陽の王 ラムセス』です。今から3000年以上前に実在し、エジプト史上最も偉大な王と呼ばれたラムセス二世の生涯を描いた作品です。

文章から感じられるラムセスの圧倒的なカリスマ性にすごくはまって、読めば読むほど夢中になっていきました。また、当時のエジプトの風景や文化、どのような人々が暮らしていたのかが、絵のようにくっきりと自分の中に浮かび上がってきたのも印象的でした。

 

先日、囲碁教室の生徒さんでエジプトに行かれた方がいたので、この本を薦めました。そうしたら、文庫本で全5巻と長いのに全部読んでくれて、満足の声を聞かせてくれたんです。そして、物語にも登場する遺跡の写真などを見せてくれて、この本を読んだときの感動を懐かしく思い出しました。

私はまだエジプトに行ったことはありませんが、いずれは足を運べればと思っています。

みをつくし料理帖』は、澪という名前の大坂の料理人が、江戸に出て料理を極めようと奮闘する時代小説シリーズです。

江戸と大坂では水質や味の好みの違いもあって、澪のたどる道は順風満帆とはいきません。でも、彼女はとにかく誠意をもって、料理に向き合っていく。その姿がたまらなく魅力的なんです。

関連記事