2019.12.26
閲覧注意…70代男性は2000本のペットボトルに囲まれて息絶えた
特殊清掃業者も戦慄した「孤独死」現場室内を埋め尽くす
「その現場は2DKのアパートの一室でした。部屋に入って驚いたのは、大量のペットボトル。自分の寝るスペース以外、全部ペットボトルなんですよ。ざっと2000本はありましたね。しかもすべてが空っぽ。大量の空きペットボトルに囲まれた布団で孤独死されていたようなのです。布団は体液でべっとりで、床下まで染み込んでいました。蝿(ハエ)が湧いていて、かなりきつい匂いが部屋の外にも漏れていました」
そう語るのは、遺品整理や特殊清掃を行う「ふうせんの風」の代表の伊藤憲正さん(42)である。
冒頭の現場に入ったのは今年の夏。亡くなったのは、70代の男性だった。男性は近所に身寄りがなく、不動産会社を通じて清掃作業を依頼してきたのは、何十年も連絡を取っていなかった息子だったと言う。
「あの大量のペットボトルは、未だになんの意味だったのか解決できていないんですよ。ただ、こんなことはよくあるんです。用途や意味が分からない大量のゴミを抱え込んで亡くなる方がすごく多い…」
孤独死や自殺が発生した現場が、いわゆる「事故物件」となると、「特殊清掃」と呼ばれる作業が求められる。
病死や自殺などで第三者に知られずに亡くなると、死体の腐乱が始まる。特に夏場には、染み出した体液が床下まで染み出し、蛆(ウジ)が湧き、蝿となり、とんでもない匂いを発する。特殊清掃とは、そんな体液の処理や虫、さらに匂いの除去までを行う作業を指す。