危機的な少子化問題…新しい発想で対策を考える

政府の対策はもう「限界」を迎えている

少子化が急速に進んでいる。

急激な少子化が数々の深刻な社会問題を引き起こすことは、徐々に常識になりつつある。少子化を何とか押しとどめようと、政府はさまざまな手を打ってきた。にもかかわらず、少子化の勢いは鈍っていない。

少子化のスピードを遅らせるためには、「なぜ人は子を持つのか?」という根本的な問題を考えてみる必要がある。動機づけの問題である。そこからは、これまでとは全く違った少子化対策が浮かび上がってくる。

〔PHOTO〕iStock
 

少子化対策の限界

これまで、さまざまな少子化対策が実施されてきた。が、その最大の問題は、どの対策も充分な効果を上げていないことである。児童手当の支給、保育園への助成など、施策は多岐に渡るが、いずれも少子化にブレーキをかけるには至っていない。

もうひとつの大きな問題は、対策の多くが予算措置を必要とすることである。少子化対策に「成功」した例として、よくフランスがあげられるが、そのフランス並みの対策を講じようとすると、7兆円近い追加予算が必要になると試算されている(1)。

一方、国の財政にはゆとりがない。「赤字国債」の残高は、883兆円にのぼり、国民1人あたり700万円もの借金をしていることになる(2)。

「先進工業国」の中では、突出した額の借金である。GDP(国内総生産)に対する比率でみると、フランスの場合、国債の残高はGDPとほぼ同程度(96.3%)だが、日本の場合は、2倍半近く(236%)にもなる(3)。

フランス並みの対策を講じることは、きわめて困難なのである。

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