どう予算をコントロールするか
昔、日経新聞電子版の連載で「月に1万円以上つぎ込んだら、お金をかけすぎの趣味と心得よ」というコラムを書いたらすごい勢いで炎上したことがあります。その日のYahoo! のバズワード1位になってしまい、SNSでずいぶんからまれました。

ちゃんと読んでいただければ、「1万円以上つぎ込んでもいい。しかしそれがそれなりの予算となっていることを認識しなければならない」という話であって、「趣味にお金を使うな」と言ったわけではありません。
しかし、「予算なんか気にせずつぎ込むようになって初めて趣味人といえるのだ」と豪語するような投稿をずいぶん目にしました。
確かに趣味にハマった人の末路として、ほとんどの収入をつぎ込むような人がいるのは確かです。骨董品を蒐集するような人はその典型でしょう。
趣味の予算コントロール問題は家計にとっては重要な問題です。趣味にノーリミットで予算を突っ込むのは愚かなことです。なぜなら、そういう人は「老後に趣味人としての死」を迎え「生きながら死ぬ」老後を過ごすことになるからです。
趣味に費やす自由な時間は現役時代より老後のほうが圧倒的に長くなります。22歳から65歳までを「現役」、65歳以降を「老後」と大きくふたつに分けてみます。
最初の43年のあいだ、平日は1日2時間、週末は1日12時間、自由な時間を過ごしたとします。ざっと概算すれば、7万6000時間が自由な時間です。ゲームをしたり映画やアニメをみたり、友人と話をしたりして過ごします。