2020.02.12
# ラーメン

全国で大増殖、「町田商店」が家系ラーメンで“独り勝ち”の理由

チェーン店の実力を侮るなかれ

街中で目を引くド派手な看板

「〇〇家」と家の文字が付く横浜発祥の太麺豚骨醤油ラーメン店のことを指す「家系(いえけい)」という言葉が定着して久しい。

都心部なら、鉄道駅を降りれば必ずと言っていいほど1つは見かける。それほど、すっかり家系ラーメンは市民権を得て、生活に密着している。

家系は1974(昭和49)年、横浜市磯子区にある新杉田駅近くの国道16号沿いに開業した「吉村家」に端を発する。創業者の吉村実氏は当時流行の兆しを見せていた、醤油ラーメンでありながら九州ラーメンのような豚骨を炊き出したコクのある、東京スタイルの豚骨醤油ラーメンを進化させた。

「町田商店」が提供するスタンダードな家系ラーメン(筆者撮影)

モチモチとした太麺。それにチーユと呼ばれる鶏の油を表面に浮かせ、スープには鶏ガラも加えより濃厚にする。丼には大きくて硬い海苔を3枚に、分厚いチャーシュー、そしてこれまでラーメンの具の定番とされたネギやメンマを廃し、ほうれん草を乗せた。

今でも家系と呼ばれるラーメンは基本、このスタイルを変えていない。2010年頃から街で見かけるようになった多くの家系もそうだ。迫力ある筆文字調で屋号が書かれたド派手な看板の店舗には、ある1つの共通点があることにお気づきだろうか。

 

店頭に掲げられたラーメンのイラストや写真をよく見てほしい。こうした店舗の家系ラーメンには、丼表面の中央に、ゆで玉子、それも小さなうずらの玉子が乗っている。

このうずらの玉子を乗せた家系は、FCチェーンを展開する企業が手掛けているケースが多いのだが、中でも近年急激に店舗拡大を続けているのが、株式会社ギフトの「町田商店」だ。

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