2020.02.24
# Google # シリコンヴァレー # Facebook

シリコンバレーが世界トップのベンチャー企業を生み続ける「秘密」

なぜ、自動運転車が生まれたのか?
松崎 隆司 プロフィール

シリコンバレーも世代交代の時代に

シリコンバレーにはそうしたSEEDSがたくさんある。それはITだけではない。他にもいろいろある。最初にエニアックという電子計算機から始まって、多くの革新的技術は20代、30代の若者が作り出した。それがどこで生まれたかというと、大学や研究所、個人のスタートアップ。大企業からそうしたものが生まれていない。

「大企業はそういったものを集めて、もしくは、ニーズをつくりあげて、世の中に出している。自動運転技術の例では、コマツの無人ダンプトラックはすでに10年前から海外の鉱山で有人と無人、半分ずつ稼働してきている。この200トン積の巨大トラックの運転手を雇うためには最低1500万円、しかも4人雇わなければならない。1年間に6000万円から8000万円をかけて運転手を確保しても、運転手の定着率が低い。トラックの稼働率は直接、鉱山会社の売上に響く。だからニーズが明確になり、15年に及ぶ自動運転の開発に成功するとともに、培われた技術と経験が次の派生技術、派生製品サービスを生み出している。スマートコンストラクションによるドローンを使った宅地造成も始まった。宅地は町の工務店がやる。工務店は後継者難でニーズがあるから力を入れているわけです」(山崎氏)

 

シリコンバレーは一つひとつはすぐにお金にならないが、5年~10年先のベンチャーに投資する。ただそれだけではベンチャー・キャピタリストとして合理的な投資ができない。

そこで「low-hanging fruit(簡単に達成できる目標)」をポートフォリオに組み込んでいく。

「25年住んで思うことは、シリコンバレーはレーバーモビリティー(労働移動)が高いのです。日本のように一つの会社に定年まで勤めるのではなく、仕事ごとに契約してやる。仕事がなくなれば次にいく。より新しく大きな仕事をしなければお金になる仕事にならない。面白い仕事をやる会社に優秀な人材が集まる」(山崎氏)

シリコンバレーの若者が中心となって育ててきたITベンチャーにとって昨年(2019年)は特別な年。

インターネットの前身・アーパネットを米国防省の高等研究計画局が導入して50年。スタンフォード研究所をはじめ、カリフォルニア大学ロサンゼルス校、同大学サンタバーバラ校、ユタ大学とネットワークをつないで同じく50年。ワールド・ワイド・ウエブ(WWW)が定義されて30年。

そして1998年にセルゲイ・プリンとともにグーグルを創業し親会社のアルファベットのCEOを務めてきたラリー・ペイジは、2019年12月3日に引退を表明。世代交代を行った。

photo by Getty Images

シリコンバレーではすでに新しい時代が始まっている。

世界のIT業界をけん引してきたシリコンバレーは今後どうなるのか。次代のITビズネスを見極めるためにも、注目し続ける必要がある。

取材協力
カルフォルニア観光局 https://www.visitcalifornia.com/jp
サンノゼ観光局 https://www.sanjose.org/
サンマテオ/シリコンバレー観光局 https://www.smccvb.com/

SPONSORED